開発ストーリー

Avid Technology, Inc.内の部門であるM-AudioとDigidesignは、M-Audioによるスタジオ・モニター・デザインやDigidesignの秀逸な DSPデザインなど、業界をリードする幅広いテクノロジーを共有できる、ユニークなメリットを有しています。両ブランドが共同で開発を行ったStudiophile DSMシ リーズは、スタジオ・モニター・デザインにおける新たなパラダイムを体現。その開発の裏側を、Avidの最高技術責任者 (CTO) であるデイヴ・ラボルト、M-Audioのゼネラル・マネージャーを務めるニールズ・ラーセン、M-Audioの製品マネージメント・ディレクターのジョ ン・バスティアネリ、Digidesignのハードウェア製品開発マネージャーであるグレッグ・ウェストールに語ってもらいましょう。
─DSMの開発は、2組のエンジニアリング・チームが担当するという、非常に力の入ったプロジェクトですね。M-AudioとDigidesignは、どのようにコラボレーションを行ったのですか?
デイヴ・ラボルト: このプロジェクトでは2つのビジネス・ユニットが、とても密接な関係のもとで開発作業を行いまし た。Digidesignがハイエンドなプロフェッショナル、ポストプロダクション、ブロードキャスト・マーケット向けの製品開発で培った卓越性を、また M-Audioはスタジオ・モニター・デザインにおける強固な基礎を提供したと言えます。戦略面で言うと、モニター・ビジネスの世界においてM- Audioは驚異的な成長を遂げてきました。2年ほど前、EX66 をリリースした際には、その抜群のパフォーマンスと低価格性が驚きをもって迎えられました。DSMラインは、そうしたM-Audioのリーチを、ハイエン ドのプロフェッショナルなマーケットにまで拡張する製品になっています。
ニールズ・ラーセン: Digidesignのチームは、このプロジェクトへ、プロ・スタジオやポスト、ブロー ドキャストの世界におけるエリート達など、幅広いレコーディング環境での作業で培ったリスニング能力を持ち込みました。それにより、この製品に要求される レベルも非常に高いものとなったのです。
ジョン・バスティアネリ: まずLFドライバーとHFドライバーについては、全く新たにデザインを行いました。そして アノダイズ処理を施したアルミニウム・コーンの採用を決定しました。これは、他のドライバーでは高域で起こってしまうような、周波数特性の乱れを発生させ ないために重要です。高域のデザインにおいては、テトロン製ソフト・ファブリック・ドーム・ドライバーを採用することで、27 kHz以上まで正確な高周波特性を維持すると共に、歪みも最低限に抑えることができました。
グレッグ・ウェストール: DSM ラインは完全統合されたデジタル・スタジオ・モニター・シリーズであり、まずはカスタムデザインされたデジタル・クロスオーバーが使われることで、秀逸な 精度でシグナル・フローのマネージメントが可能となりました。これにより非常に正確なスタジオ・モニターが実現したわけですが、実際に使われる部屋はそう でない場合もあるので、DSPによる6バンドの精密なデジタルEQが搭載され、これで部屋の特性の補正が可能です。例えばこのEQのひとつの帯域を使っ て、DSMをコンソールのメーター・ブリッジ上に置いた場合の、スピーカーとコンソール間のカップリングで生み出される低域のブーミーさを補正し、別の帯 域では部屋に特有の定在波や低域のビルドアップの補正を行い、さらに別の帯域を使って高域の反射を補正することも可能です。オンボードDSPにより、こう した驚異的な自由度が提供されるのです。ニールズ・ラーセン: コンセプトの段階からスタートして、非常に優れたシステムを完成させることができました。この新しいモニターは、クラシックな存在になると思います。
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