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ピアニスト、コンポーザー、アレンジャーのケイ赤城氏に聞くMicroTrack II

ピアニスト、コンポーザー、アレンジャーのケイ赤城氏に聞くMicroTrack II
1979年アイアート・モレイラ&フローラ・プリムグループのピアニストになり7年間在籍し、その後アル・ディメオラのグループなどを経て1989年から1991年までマイルス・ディビスグループのメンバーとして活動。音楽活動を続ける一方、1996年カリフォルニア大学アーバイン校で音楽講師として教鞭を執り始め2000年からは同大学芸術学部教授としてジャズ理論、歴史、実技などの講義も行うケイ赤城氏に愛用するMicroTrack IIについてインタビュー。

杉本 智和 (b)、本田 珠也 (ds) を従えた自身のトリオで精力的にツアーやレコーディングを行っているアメリカ在住のジャズ・ピアニスト、ケイ赤城氏は「リハーサルの段階で思いがけない良いアイディアが出てくることがあるので、それをMicro Track IIを使って記録として残しています」と語ります。「それをPro Toolsでプレイバックして、ちょっとEQしたり、リバーブをかけたりしながら、曲として使える部分、そうでない部分を選んでいく作業を行います。今回、日本で行ったリハーサルでも、Micro Track IIでレコーディングを行い、ホテルではMbox 2 MicroベースのPro Tools LEシステムでプレイバックしました。ジャズの作曲とは、即興のための素材を提供することだと思っていますが、頭の中で組み立てるだけでなく、リハーサルを聞き直すことで、即興として発展させるための曲作りの、有意義なフィードバックになります。特に私自身のバンドでは、それぞれの個性や、その瞬間の音楽的判断が即興の場面に現れるので、それを最大限に生かすためには客観的に聞くための手段が必要です」。 


その一方で、赤城氏は「自分で音楽を作っているときに、良い音で録音するためにエネルギーを使うのは大嫌いなんです」とも述べています。「良い音で録れているかどうかを考えた途端に、自分の中で音楽の流れが止まってしまうケースが、過去にはすごく多かったですね。従来の小型レコーダーは音質的にも音楽には向いていなかったし、その一方で音楽のレコーディングに適した機材は、高価で使いづらいものが多かった。このMicro Track IIは、そうしたギャップを埋めてくれる存在だと思います。今回も、ボタンを押してレベルをチェックしたら、後は音楽に集中できました。付属のマイクを使いましたが、本体の向きを変えるだけでバランスも調整できたし、音質的にも優れていて、細かいニュアンスまで聞き取ることができます。とにかく直感的に操作できましたね」。

 
アイアート・モレイラ&フローラ・プリムのグループを皮切りに、アラン・ホールズワースやアル・ディメオラなど、様々なグループで活躍し、また1989年から2年間に渡ってマイルス・デイヴィス・グループにも在籍した氏は、「自分が即興演奏しているときのフィーリングと、それを音として客観的に聞き直したときのギャップを、どうプロセスするかも成長過程のひとつです」と語ります。「マイルスも、毎晩録音していましたね。演奏が終わるとホテルの部屋に戻り、ルーム・サービスで食事を摂りながら、その夜の演奏をずっと聞いていました。そして何か気付いたことがあると、バンドのメンバーに連絡するんです。そういうフィードバックも重要ですね」。
 
また赤城氏は、カリフォルニア大学アーバイン校の芸術学部教授として、ジャズ理論や歴史、実技などの講義も行っています。「学生が練習室で演奏したものを録音することは、とても意味があります。自分が出していると思っている音と、実際の音は、最初は全く違います。そのギャップを埋めていくことが、芸術家として育っていくことですね。有名な話ですが、ジョン・コルトレーンは一日13時間練習して、それを全部テープに録って聞き返すという作業を、反復してたんですよ。私は大学の授業でも、プロとしての音楽活動でもPro Toolsを使っていますが、Micro Track IIとPro Toolsの組み合わせは、非常に便利です。解像度の高いレコーディングが、低価格で手ごろに、しかも使いやすい形で実現する上、ファイルの互換性も優れているので、ミュージシャンには最適ですね」。

(2009年溜池ヘッドオフィスにて)