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レコーディング・エンジニアの山田ノブマサ氏に聞くMicroTrack II

レコーディング・エンジニアの山田ノブマサ氏に聞くMicroTrack II
LOVE PSYCHEDELICOの制作にはエンジニアとしてだけでなくミュージシャンとしても深く関与する山田ノブマサ氏に愛用するMicroTrack IIについてインタビュー。

大学在学中よりジャズ、ロックなどのバンドでドラムを演奏。ビクター・スタジオに入社後1993年にフリーランスのエンジニアとなり自身のスタジオamp'box Recording studioを拠点に近藤等則、一三十三一などを手掛けたほか、LOVE PSYCHEDELICOの制作にはエンジニアとしてだけでなくミュージシャンとしても深く関与する山田ノブマサ氏に愛用するMicroTrack IIについてインタビューしました。

─仕事柄デジタル・レコーダーを試される機会が多いと思いますが
業界誌からのレビュー依頼などでテストする機会が結構あるんです。各社の製品を色々試して感じることは、得手不得手があるってことです。MicroTrack IIと他の製品を同じ環境でチェックする機会があって、他の多くの製品は奇麗な感じで録れるんですけど聴くとがっかりすると言うか、よく言えばクリアーなんでしょうけど、演奏者からすると、こんなつもりでやってないんだけどな~って音になって... 特にロックとかは凄くがっかりしましたね。MicroTrack IIに付属するマイクロフォンは非常に面白いですね。ロックとかのハードなドラム等のアンビエンスとか、MicroTrack IIからラインでもらってそのまま録っちゃおうかなと思うくらい芯があるカッコイイ音で「音が引っかかる」感じです。本機の特性として音が中域にかたまるので、音にガッツが有るのでロックなどは特に音がまとまりやすい。他社のエレクトレット・マイクロフォンをMicroTrack IIに刺して試したんですけど全然ニュアンスが変わっちゃって、と云うこはMicroTrack IIのADコンバーターではなくこの付属のマイクロフォンでこの芯のあるカッコイイ音になってるんですね。こんなに変わるのかって驚きました。
 
─MicroTrack IIを選んだポイントはどこでしょう?
各社工夫を凝らして色々な方式でマイクロフォンを内蔵していますが、万能なマイクロフォンは元々ないですからね。MicroTrack IIの良さは、マイクロフォンがちゃんと挿せると言う事。48Vファンタム電源があるのって未だに少ないじゃないですか。僕らプロは、最終的に本格的に録ろうと思ったら、1本何十万のマイクロフォンをステレオでつなげられるし... アマチュアだとマイクロフォンを変えたところで少し高いエレクトレット・コンデンサのマイクロフォン程度だと思います。SCHOEPSで1本50万もするようなマイクロフォンをステレオで持てるような人はアマチュアではほぼいない。僕らプロのエンジニアはそれを使える環境に有りますから、本当に良い音で録りたい時はB&KでもSCHOEPSでもなんでも選べます。ですから48Vファンタム電源も入るMicroTrack IIは優れた記憶媒体として高く評価していますよ。

最近の製品(特に日本製の物)はEQ、リバーブ、ピッチ調整、テンポ補正など機能がてんこ盛りで、アマチュアからすると合理的で良いのかな?と思いますが、僕は、当然再生音にEQやリバーブが掛かると思ってたんですよ。そしたら、入力段階で処理してるから録音する音にもついちゃってて、それじゃプロは使えないってことで(笑)同じ様なサイズの筐体に音処理させるためのチップを無理矢理組み込んでいけば何かが犠牲になる。僕らプロは録りの段階でデジタル・レコーダー内でリバーブなどの音処理をすることはないじゃないですか。録音してすぐにPro Toolsで音処理するし、Pro Toolsなら内蔵のエフェクトとは比べ物にならない優秀なソフトウエアがいっぱいある訳で、デジタル・レコーダーにEQやリバーブは必要なくてその分小さくしてくれた方が僕らはうれしいです。これが、正にMicroTrack IIのコンセプトですよね。
 

(2009年5月amp'box Recording studioにて)